先日、マンション管理等を営まれているお客様から事務所に電話をいただきました。
こちらのお客様から注文以外で珍しいと思いながら電話に出たところ、「購入したグレーの塗料の色が薄い。すぐに見にきてほしい。」というクレームのお電話でした。
お客様は管理されているマンションの共用部などのメンテナンスを自分たちで行われており、水性と弱溶剤の塗料をそれぞれ数色 納品しております。
今回クレームをいただいたのは、その内の弱溶剤のグレーの塗料でした。
念のため販売の履歴を調べたところ「日塗工のN-50」でした。調色が難しい色ではなくブレることはほぼないだろうと思い、原因になりそうなことを考えてみました。
原因としては、
(1) 塗料の攪拌不足により色分かれし、色の薄い方を塗装してしまった
(2) お客様の方でグレーの塗料に何らかの原因で白など他の塗料が混ざってしまった
(3) 塗り重ねた元の部分の色が汚れなどで濃く見えて、新しく塗ったところが薄く見えた
(4) 塗料製造時にリピートではなく新規注文となってしまい、わずかな色ブレが発生した
こんなところかなと想像しました。
お客様のところへ到着し、早速色が薄いといわれるところを見せていただきました。
元のグレーの上に新たにグレーを塗り重ねて塗装されているのですが、明らかに後から塗装されたところが薄く、極端に言うと薄いグレーでラインを引いたようになっていました。
これだけを見たらクレームの電話があってもおかしくないなと思える薄さでした。
さて原因ですが、上記の(1)~(3)についてお客様に確認してみると、やはり一番可能性の高かった(1)の攪拌不足だったことが分かりました。
そこで実際に使用された塗料を現地でよく攪拌し、持参した板に塗ってみました。
弱溶剤のためしっかりと乾かし(弱溶剤は乾燥前と乾燥後で色の変化が大きい)、先ほど見た濃淡の塗装が混在しているところへ当ててみると、以前に塗装した濃い方の色とバッチリ合いました。
その内容をお客様の社長様へ説明させていただき、無事解決となりました。
結果として原因は攪拌不足という予想通りでしたが、やはり現地へ行って塗料を見てみないと安心はできません。
少し時間がかかってしまいましたが、実際お客様にも見て納得していただくことができたので、こちらとしても安心しました。
これからもお客様からクレームやお困りごとなど出てくると思いますが、特にクレームの場合はできるだけ現地へ出向いて対応できるよう心掛けたいと思います。